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難題?
英国SS
・・・。
この世界上にこれほど難解な言語が存在するとは思わなかった。
綴りからして観たことのないもので、まるで古代文字が何かのように見える。
おまけに、この学校には日本語の辞書など存在しないのである。
ふう、とシモンは何度目かの溜息をついた。
ユウリは日本の文化について良く話すので、その独特の繊細さを持ち合わせた文化に興味を持った・・・までは良かったのだが。
―この分だと、いつまでかかるか解らないかな・・・。
何かを見本にしようとしたところで、するものもないのだから、余計に混乱してきた。
『―これ、何て読むと思う?』
そう言ってきたユウリは妙に楽しそうだった。
なんだか、久しぶりに頭をつかった気がする・・・最もそんなことはないのだが―。
と、その時。
コンコン、とノックの音がして、当の本人の声が聞こえてきた。
「シモン、いる?」
声と同時にドアが開いて、黒髪が顔を覗かせる。
「ちょっと、教えてもらいたい所があるんだけど・・・」
歴史の教科書を片手に言ってくる親友に、シモンはやれやれ、といたずらっぽく肩を竦めた。
「―今は、君の難題で精一杯なんだけどね」
「あ、あれ―」
ユウリは、それが書かれた紙をひらひらと振られて戸惑い気味に聞き返す。
「今まで考えてたの?」
「―残念ながら未だに良く解らないけれどね」
「ふーん、シモンでも解らないことあるんだ」
一転、くすくすと笑い出すユウリ。
「それ、僕の名前だよ」

『悠里』

今度はあっさりと正解を明かされ、今度はシモンが戸惑う番だった。
「・・・今度は書いてみる?」
さらに畳みかけてみる。
いつも大きく見える手が、一瞬固まったのを見て、ユウリは。
「・・・冗談だよ」
親友の困った顔も面白いかも、と密かに思いつつ―。
今度ばかりはまいったよ、という流暢なフランス語を聞いている。