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2月の雪
デスノートSS
※映画後編ネタバレ注意。
※ラストを思い出したくない方もご注意。と一応書いておきます。





さらさらと、白い雪が降り積もる。
私の思い出も、こんな風に積もっていく日は来るのかな・・・。

さくらTVの建物の中で、偶然会って、一目惚れして、家とか調べて押しかけちゃったんだっけ。 それでも家に入れてくれて・・・そういえば月ってば私のこと知らなかったよね。
これでも結構有名なアイドルなんだけど。たまたま持ってたCDがあんな風に役に立つなんて思わ なかった。

その頃、月は大変な事件の捜査に加わっていたんだ。良く覚えてないんだけど、とばっちりで私ま で疑われたりしてさ。
はー・・・、なんか結構ヒドい目にあったよね。二人して。
その後、やっと疑いが晴れて二人っきりになれたのに、月は事件の捜査に集中しちゃって、ちっと もかまってくれないんだもん、ミサ、淋しかったよ。

そのおかげで事件は解決したんだ・・・
でも、今、月はここにはいない・・・この世の中にいない。

最後に、なんて言ってたっけ―。死にたくないとか、そんなことだったような気がするんだけど。

よく、覚えてないんだよね。大好きな月の、言葉なのに。

愛しい人の写真の横に並ぶキャンドルの炎を見つめながら、ミサは溜息をつく。
「なんか・・・忘れてる気がするんだけどな・・・」
かけがえのない何か。
自分を絶望から救ってくれた、何か。
今、ここにこうして立っていられる、その証をくれたもの。
胸に残るのは、大好きな人と過ごした、ちょっぴりスリリングな、楽しい思い出。
それでも。
何か、ピースが足りない。
さらさらと砂のように零れ落ちていく。魔法のように消えてしまった、過去。

―私、何か大切なこと忘れてる。

「・・・でも、なーんにも思い出せない・・・」

伸びをして、ベッドに転がる。天井を見上げながら、天国では幸せなのかな、なんて思う。
月は神様なんて信じてなさそうだけど。
「月・・・」
呟いて、ふと窓の外に目を向ける。
夜空と街の喧騒を彩る、白いカケラがふわりと舞い降りてきた。

「・・・雪?」

どこまでも白いそのカケラは、地面に消えていくけれど、後から後から現れて。やがて真っ白な絨 毯の出来あがり。
儚いくせに案外、しぶとい。

―ああ、そうだった。そういえば・・・

「月も、かなりそんなところ、あったよね」

何でも観通してるくせに、変に意地っ張りで、子供っぽくて―そんな人なの。
そんなところは、ミサだけのものだったのかな―。そうだといいな。

「お誕生日おめでとう、月」

2月の雪に、愛を込めて―


HAPPY BARTHDAY FOR YOU............Light.